気ままな情報
中国アンティーク家具、中国雑貨などシノワなグッズをお楽しみください。気ままな情報・気まぐれコラム TOPへ

 
中国アンティーク家具、中国雑貨などシノワなインテリアで。
 




 
1 色使いについて
2 素材感の重要性
3 アクセントの効果
4 シンプルがテーマに
5 シノワズリースタイル自分流


「シノワズリ−・スタイル コーディネートのコツ」 はこちらから



  1.色使いについて  ・・・カラー・スキームの組み立て方・・・


■西洋的色使いと東洋的色使い■

西洋と東洋の色使いにはイメージを浮かべてみても違いがありますように、その色のバリエーションは絵画の技法、道具、染料の種類、さらには気候風土などあらゆる要因から発生してきたと考えられます。

西洋的色使いとは、色を混ぜたり塗り重ねたりすることで無数の色合いや濃さを作り出し、ニュアンスある色や華やかな絵柄が特徴なのに対し、東洋的色使いではシンプルな背景にクリアな色をのせていくものです。
これらの色使いは、それぞれのインテリアにも影響を与えてきました。

シノワズリーなインテリアのカラー・スキーム(計画)を考えるとき、その東洋的色使いをコツとしてとらえ、静かでシンプルな背景にコントラストを加えていく手法を頭においておくとよいと思います。

■”黒”の効果■
”シノワズリースタイルのコツ”でも記載しましたが、シノワズリー的基本3色の「黒」「赤」「金」において、「黒」は西洋スタイルの中ではほとんど用いられてきませんでした。 
でも、「黒」は他の色を際立たせたり、輪郭や形に主張を与えたりという効果もあり、西洋スタイルの中に持ち込むことで、シノワズリーな印象を与える効果があるといえるでしょう。

■”赤”の効果■
また「赤」は、漆などの自然素材の色にしても、発色を作る難しさやその個性からゴージャスな色と考えられてきました。 
印象的な色なので、室内のハイライトとして使うのが効果的です。 その際、黒をアンカーカラーとしてまとめることで一層彩度明度ともに上がり、存在感が際立ちます。 
「赤」の利用は、小さな小物でも、また大胆に大物家具でも楽しいかもしれません。

■Blue & White■
他に、”Blue & White”(「藍」と「白」)の組み合わせも東洋的イメージをかもし出す組み合わせとして西洋でも古くから人気があります。 
昔、中国や日本で安価に入手可能な染料として「藍」が存在し広く使われたことから、古来この組み合わせは日本、中国では典型的なイメージのテーマカラーとなりました。 

あっさりとして上品な配色は、様々なアイテムとして入手しやすくコーディネートしやすい組み合わせです。

■鮮やかな色、ソフトな色■
他のアジア地域でも、それぞれその地域固有の植物などによって特徴ある色彩が生まれました。 インド、タイ、ベトナムなどでは、より鮮やかな色がイメージされるのではないでしょうか。
また、色はインドのカースト制度や中国の身分制度にも利用されてきたこともあり、固有のイメージを持つ面もあるので、印象に影響を与えることもあります。

鮮やかな色は最近、欧米のインテリアの中にも使われるようになりましたが、柄物などとの混乱もなく、シンプルで静かな背景の中で整然と用いられる場合のみ、効果的なアクセントに成り得るのではないでしょうか。 それによって、贅沢感や暖かさの演出にもなります。

色使いとしては、西洋スタイルの中で東洋的色使いをしてみるだけでなく、東洋的シンプルなスタイルの中に西洋風な色、たとえば柔らかいグリーンやクリーム、ピンクなどを持ってくるのも、おしゃれな洗練のシノワズリースタイルの色使いとなります。

                     *  *  *  *  *  *  *  *  *

静かな印象の背景で、色の持つ個性に着目しながらコントラスト、アクセントを加えた統一感のある風景、主張あるスタイルのカラースキームを組み立てていきましょう。 
シノワズリーのスタイルでは多くても3〜4色までの色使いを心がけるとよいと思います。 しかもそれらは親和性のある色同士であることがポイントで、また、濃淡などの違いといったものもお薦めです。

色使いはその人の個性やライフスタイルを表現する手段になりますし、その組み合わせでかもし出される雰囲気が室内の空間に、例えば”暖かさ”、”和み感”、”活気”、”クール感”などを生み出します。
色はインテリアを考えるとき、常に最重要なエレメント(要素)になります。






  2.素材感の重要性


■素材感の個性を意識して■
シノワズリーのスタイルのみならず、どのスタイルでも室内のエレメントはそれぞれの素材感によっても空間に影響を与えます。 それは、質感と言い換えてもよいかもしれません。
質感は微妙なものですが、その表面の持ち味は手触りだけでなく光の反映や吸収、色彩の深みなどを感じさせ、立体感に影響してくるものです。 

ガラス、金属などの材質的アプローチをはじめ、木質感、石質感、ファブリックの種類などにおいてもそれぞれ実に多彩です。 さらにアイテム加工へのアプローチも工業製品なのか手工芸品なのか、自然を生かしたままのものなのかなどに着目すると、様々なコントラストを楽しめますし、テーマとして意識するのも楽しいと思います。

■ファブリックの質感■
ファブリックについてですが、柄のないプレーンなものと柄のものを考えてみます。 プレーンなものはやはり色に加え質感が重要になります。

ウールやベルベットが西洋的ラグジュアリーなイメージなら、コットンやリネンは西洋的カジュアル感または日本の和風なイメージを思い浮かべるかもしれません。 
それに対し、シノワズリーなイメージとして”シルクシャンタン”が、欧米の方々から見ても東洋的エキゾチシズムをイメージさせるのだそうです。

■柄物に関して■
柄のものについては、インテリアエレメントとしても視線を集めるテクニックになりますが、そのデザインによっては強い主張となりやすい点には注意が必要です。 
シノワズリーなインテリアでの柄使いは、シノワなモチーフのものを選び、織り地の地模様のものなどがお薦めです。

ファブリックは重厚な素材のものや色が強いものを選んだ場合、素材、色、柄など種類は1つか2つにとどめるとよいと思います。

■木質感のバリエーション■
家具や装飾品としての木質感についても、木材の種類というだけでなく、色、形、表面の仕上げ、そして精巧な彫りのもの、籐を利用したものなど個性を意識して用いると効果的です。 そして、色々な用い方を柔軟に思い浮かべることで、決まりきった概念から開放されて自分自身の表現へと繋がっていきます。

■ベースとなるエレメント■
シノワズリーにおいてベースとなるシーリング、壁、フロアデザインはシンプル・ベーシックなものを選ぶことがお薦めです。 すっきりした廻縁天井やモールディング、腰パネルなどなら、コロニアルな雰囲気をベースとすることで、シノワズリーなスタイルの演出にもあわせやすいと思います。

フロアリングなら部分的にラグやキリムなどでアクセントをつけるのもよいと思います。 
静かな落ち着いた感じがベースだとしつらえやすいでしょう。






  3.アクセントの効果


■フォーカル・ポイントを考える■
アクセントのあるコーディネートはとても印象的で魅力あるものです。 その際、部屋のどこがフォーカル・ポイントとなるのかをまず考えてみます。 
西洋ではマントルピースや、窓、絵画のある壁面、東洋では祭壇であったり、日本では床の間、近年はテレビセットのあたりであったりと色々ですが、できれば意識的におしゃれなコーナー作りをしてみると楽しいと思います。

■”陰”と”陽”のバランス■
シノワズリーなコーナー作りで用いる家具やインテリア・アクセサリーとして、シンプルなデザインのものと職人芸の手の込んだ装飾的なものとのコンビネーションのバランスを考えてみましょう。 

対照的なものの組み合わせは、東洋的基本概念である「陰」と「陽」の考え方で異なるものを互いに引き寄せ合うことで力を発揮するという思想を反映することでもあり、独特の秩序を表現することができます。 そのコントラストを意識したアクセントの手法も効果的です。

■アクセサリー・エレメントのグループ化■
配置に関しては、シノワズリーのシンメトリーの法則がありますが、一歩進めてここではインテリア・アクセサリーのディスプレイ的視点からみてみましょう。
コーナーをディスプレイする上でまず何を飾りたいか、何を表現したいかを考えて、飾るものの色、形、比率などに着目し、グループ化して考えてみます。

たとえばBlue&White(青花)の磁器でも、彫りのあるアンティーク木製品でも、漆の小物でも、セレクトしたもの同士に連続性、連想性をもたせる手法を取り入れると、とても効果的です。

■効果的な配置のコツ■
さらに、そのアイテムをどうしつらえるかも考えてみましょう。 厚みのないものなら大きさ違いで重ねてみてもよいし、高さでラインを作るように配置してもよいし、またアイテムの数に関しても意識してみるとよいと思います。 

偶数で飾ると安定感やフォーマル感が出ますし、奇数で飾るとカジュアル感や遊び心といったものが表現できます。 また曲線的、直線的、円形など形のグループ化によるディスプレイは、印象が強くなるのではなく、かえってデコラティブなものならその印象を中和する方向に向かいます。

旅の思い出や記念のコレクションのディスプレイをなさる方も多いと思います。 平面的に並べるだけでなく立体的に違い棚などを利用してコントラストを楽しむのもよいかもしれません。

                     *  *  *  *  *  *  *  *  *

インテリア・エレメントすべてがそれぞれストーリーを持ち、その人のその時々の懐かしい記憶に繋がるものです。 それらを感性を大切にして、調和よく、空間を静物画を描いていくようにコーディネートしていきたいものです。






  4.”シンプル”がテーマに


■シンプリシティーを求める流れ■
最近、”シンプル”な生活スタイルが注目されるようになってきましたが、それは日常におけるテンポの速い物の溢れた生活から、ほっと心を安らげる居住性をプライベートにも求める気持ちから、また実際の居住スペースの問題から、起こるべくして起こってきた流れではないでしょうか。

80年代の物質至上主義から、今はより精神性、質の高いライフスタイルを求めるようになり、それはインテリアの面においても見られる傾向だと思います。 いわば、日々ストレスの多い中で、雑然と目に飛び込んでくる物の溢れた状態−"Visual Pollusion"は、かえって静穏、秩序、シンプルな状態への欲求を生み出すようです。
もちろん既存の中華アイテムのもつ鮮烈な色彩過剰のイメージは、洗練されたシノワズリーのスタイル実現とは相反するといえるでしょう。

質の高い自分の時間を作っていくことは、今や多くの人の関心事かと思います。  インテリアを考える場合、デザイン性だけでなく癒されるエアリーな空間にポイントを置くことも重要だと思います。

■本当に重要なものを見つめなおす■
スタイリッシュでミニマルな建築やインテリアも昨今多く見られますが、実際にその状態をキープして暮らすのには相応の努力が必要だと思います。
シンプルな質の高いライフスタイル、そしてインテリアにおいて、まず自分にとって何が本当に気に入ったものなのか、価値あるものか、重要なものであるのかを見つめ直してみましょう。 そのエレメントに主張を持たせアクセントと考えます。 

ただ「片付ける」というのではなく、暮らし方を再考し、優先順位をつけてみます。 必要なのかわからない、もしくは必要でなくても処分できないものは収納して、時に応じて入れ替えてみるとよいかもしれません。

■シノワズリー・スタイルとシンプリシティー■
そういう流れの中で、シノワズリー的デコレーションを考えてみましょう。 シノワなアンティーク製品には精巧な彫りの物などがあり、それらは一見シンプリシティーとは逆のように思えます。 でも、シンプルな背景の中ではそれらがカウンターポイント(対比的効果)を生み出すことで、静かな背景が際立ちます。 

また、アクセントカラーの小物の色や形の連続も、秩序や整然とした雰囲気を作り出します。
シノワなインテリア・アクセサリーの連続的な、そしてオーガナイズされたディスプレイはすっきりとした印象を与えるので、余白、空間が損なわれることなく、むしろ広がりを与えます。 
異なる素材によるコントラストも効果的です。

「風水」的視点からも、デザインや機能性以上にシンプリシティとその美しさがカオスを調和に変え、バランスのとれた空間が重視されてきました。 また、アジアの国々では宗教的なものや気候とも関連して、シンプルな配置の技法自体が哲学や生活を表してきました。 

■シンプルなスタイルを実践■
シノワズリー・スタイルでのシンプリシティーの実践とは、シンプルな背景に気を配った色使い、そしてアイテムによるディスプレイの効果を追求してゆくと、自然に生まれてくるものだといえます。 ディテールにこだわる気持ちが、シノワズリーにもシンプリシティーにも重要だと思います。

たとえば、形をテーマとしたディスプレイでは単純な形がやはりシンプルな印象となりますし、素材も適度に陶磁器類、金属系のアイテムなどを組み合わせてみるとアクセントとなります。 
シルバーの上品な輝きもお薦めですが、他にも以前から人気のある錬鉄(アイアン)素材などはすっきりとした印象で、しかも黒の色は「モノクローム」をテーマにした場合にも効果的なアイテムになる点に着目してみます。

また、フラワーアレンジメントについても配色は大切なポイントです。

                     *  *  *  *  *  *  *  *  *

もはや、”シンプル”というキーワードはどの特定のインテリア・ジャンルにではなく、メンタルに癒されること、安らげることを目的とするならば、今後どのライフスタイルにも相通ずる言葉だと言えるのではないでしょうか。







  5.シノワズリー・スタイル”自分流”


■過去からのインスピレーション■
インテリアもファッションもその人となりのスタイルを表現したものだと思います。 自然にその人の経験・吸収してきたものが感性と溶け合って生まれてきます。 過ごした場所、出会った人、旅、風景、音楽、本、香りなど様々な記憶がインスピレーションとなって、インテリアの発想にも繋がってくると思います。 それらは、映画の中の一場面であったかもしれません。

インテリアにしてもファッションにしても、時間とともに好みは変化してきます。 そのときにもやはり、色々な要素が知らず知らずのうちに自分の中に蓄積され、変容された形になってくるのだと思います。

フランス語の"La Chinoiserie:シノワズリー"(中国趣味)に対し、"La Japonaiserie:ジャポネズリー"(日本趣味)というものもありますが、シノワズリースタイルとして明確な区別をすることなく、底流に自然と流れるあらゆる潜在意識が発想の原点になります。

■シノワズリー・スタイル+自己表現■
シノワズリーな表現を目指す場合、例えばヨーロピアンスタイルに、東洋的思想や仏教的背景に基づいたシンプルで調和・秩序を重視した雰囲気を、違和感なく溶け込ませていくことでスタイルを作り上げていくとよいでしょう。 そこに、いかに自分なりの個性を演出していくかがポイントだと思います。 ディテールにこだわりつつ、全体が美しくまとまった"pittoresque(絵画のような美しさ)"な仕上がりと思い入れのある場面を目標にしたいものです。

それまでのインスピレーションから生まれてきた発想は、必ずしもスタイルの真似である必要はありません。  やはり大切なのは個性であり、オリジナリティーであり、繊細さ、そしてあるときは大胆さの表現であり、そこに魅力が醸成されるのだと思います。 

シノワズリー・スタイルは欧米の方々の間では"China Style","Chinese Style","East Meets West Style"などと言われますが、広いシンプルな空間に等身大の仏像をオブジェとして飾ったりといったかなり大胆な表現などを目にしたとき、やはり日本に暮らしてきた私達との、対象への意識の違い、文化の違いがあるように思え、興味深い点だと思います。 

欧米におけるこのスタイルが出発点とも言えますが、ただ踏襲するのではなく、あくまで東洋的文化背景を持った私達なりの視点、ある意味繊細な感性で捉えていければと考えます。
つまりシノワズリー・スタイル”自分流”は、西洋風と東洋風の柔軟に融合したスタイルに自分なりのテイストを加えたものと言い換えることができますし、帰するところはフレクシブルな自己表現となるのではないでしょうか。



  ※当サイト内の全ての画像・文章の無断転載、翻案および再配布を固く禁じます。

ページのトップへ

      

Home | テーマ別インデックス|  カテゴリーオーダー家具オリジナル製品ご注文方法
お店のご紹介お問い合わせ
シノワズリーとはコーディネートのコツ気ままな情報お客様の声Link

Décor Consonance © 2003. All rights reserved.